「最近あなた少し臭いが…」
そう言いながら鼻をつまみながら後ずさる妻。
「パパ近寄らないで!」「絶対に洗濯ものは一緒にしないで!」
グサグサと胸に突き刺さる言葉を吐きながら、親を見ているとは思えない恐ろしい目で睨みつけてくる娘。
以前は一緒に良く飲みに行っていたのに、急に全く誘ってくれなくなった仲の良かった同僚。
「もう加齢臭なんて嫌だ!こいつのせいで人間関係めちゃくちゃになっちゃうよ!」
こう叫んでしまいたくなる方が多いと思いのではないですか?
「神様なんていないんだ。どうして俺がこんな目に…。」私も神様まで恨んだことがあります。
だからといって恨み言ばかり言ってはいられません。早めに対策をしないと、本当に人間関係が崩壊なんてことに…。加齢臭は周りにも迷惑をかけてしまいます。
しかし、対策をする前にどうして加齢臭が発生してしまったのかという原因とメカニズムを知る事が大切です。
ゲームを始める前に説明書をパラパラと見て、そこからどういうゲームなのか情報を得ますよね。それと同じです。
今回は加齢臭について徹底解明していきます!
目次
いつから「加齢臭」って呼ばれているの?
「加齢臭」という言葉が生まれたのは、比較的最近のこと。ご存じでしたか?意外とこの事実を知っている方は少ないのではないでしょうか。
ニオイ自体は以前から存在していたのですが、その頃は「オヤジ臭」などと呼ばれていました。そして2000年に資生堂の研究で加齢臭の元となる成分を発見したことで、明確に「オヤジ臭」は普通の体臭とは異なるという事が様々なメディアで紹介され、一気に注目を集めるようになったのです。そこで初めて「加齢臭」という言葉が生まれたんですね。
この発見は非常に大きなものでした。以前は年を重ねれば勝手に出てきてしまう、対策しようがないと考えられていたのに、実はしっかりとした原因があったわけですから。
「原因」が分かるという事は「解決方法」も存在するという事。
どれだけこの発見が重要だったか分かりますね。資生堂の研究チームの方に感謝です。
加齢臭って体臭(汗臭さ)とは違うの?
「全然違います」
この2つを一緒だと考えてしまう方が多いのが現実。しかし、実際は全く異なるニオイです。
では具体的にそれぞれどういう仕組みなのか?
体臭、いわゆる汗臭いニオイは「汗腺」から出た汗を放置していることが原因。
皮膚には多くの雑菌が住んでおり、汗をかいたまま放置するとこの雑菌が繁殖しやすくなります。そして雑菌が繁殖して汗と混じりあい、皮脂やミネラルなどを分解することで嫌な汗臭いニオイが発生してしまうのです。
この汗臭いニオイはしっかりと汗を拭くようにして、スキンケアをすればすぐに対策可能なものです。
有名なワキガも加齢臭とは異なるニオイ。ワキガは「アポクリン腺」という場所から発生するニオイのこと。加齢臭とワキガの違いについて詳しく知りたい方は、「鉛筆の芯のような臭いは加齢臭?」という記事をご覧になって下さい。
では、「加齢臭はどうなの?」ということで次はいよいよ加齢臭の発生メカニズムを解剖します。
加齢臭の発生メカニズムが知りたい!
汗臭いいニオイ、いわゆる体臭とは加齢臭は違うといいました。
まずは加齢臭の発生メカニズムを表します。
- 「皮脂腺」で脂肪酸(パルミトオレイン酸)が発生
- 脂肪酸が過酸化脂質と結びつき、酸化・分解
- 「ノネナール」と呼ばれるニオイ物質が誕生
こういうメカニズムで加齢臭は発生するのです。
この中の「ノネナール」という物質が2000年に資生堂が発見した加齢臭の元。普通の体臭とは発生する場所・過程・原因となる物質も全く異なることが分かりますよね。
メカニズムの中で加齢臭対策として最も重要視しなければならない所は、2番目の脂肪酸の酸化と3番目のノネナールの減少と除去。
これらについても詳しく知っていきましょう。
ノネナールの性質って?
ノネナールとは先ほど説明した通り、パルミトオレイン酸が過酸化脂質と結びつき、酸化・分解されてできるニオイ物質。
正式には「2-ノネナール(2-Nonenal)」という名称で、不飽和アルデヒドの一種。油臭いような青臭いような、とにかく不快な臭いを発生させてしまいます。
でも、こんな少し難しい表現ばかりでは正直分かりにくいですよね。
そこで今回は簡単にノネナールの特性を紹介します。その特性は大きく2つ。
- 水に溶けにくく、肌にこびりつく
- シャワー程度ではニオイが落ちない
・・・・・・厄介な特性ですね。この特性のせいで普通の石鹸やボディソープ、シャンプーではしっかりと落とす事ができませんし、ニオイを除去することができないのです。
やっぱりこのノネナールを除去するには、特定の成分が入った加齢臭専用の商品を使用しなければなりません。
詳しいケアについては
をご覧になってください。
酸化ってどういうこと?どうして酸化しちゃうの?
脂肪酸を酸化させないようにすると言われても、「そもそもどうして酸化しちゃうの?勝手に酸化なんかするな!」と訳のわからない怒りが沸いてきます。
実はこれにも明確な原因がああるのですが、それを説明する前に酸化がどういうことか説明させていただきます。
「身体が錆びつく」という表現を聞いたことがあると思います。この「錆びつく」というのは「身体が酸化している」ということ。
どういうことかわかりますか?
「錆びる=酸化」ということは、酸化とは身体を錆びつかせてボロボロにすることなのです。
この酸化は万病の元とも呼ばれており、生活習慣病や病気を引き起こしやすくなってしまいます。
その憎むべき酸化の原因は「活性酸素」という化合物。
活性酸素は体内に取り込んだ酸素の一部が他の分子と結合して出来るものです。これが過剰に分泌されてしまうと酵素や細胞の働きを弱めてしまい、身体が酸化するということに・・・。
この活性酸素は若いうちはまだ身体の抗酸化がしっかり働いているのでそこまで影響はありませんが、年を重ねてくると話は別。抗酸化の働きが弱まって、活性酸素が以上に分泌されてしまいます。
そうすると過酸化脂質が増加し、更に酸化が進んでノネナールが大量に発生してしまう事態が引き起こるわけです。
想像しただけでも地獄ですよね…。
つまり、加齢臭を防ぐには活性酸素をいかに発生させないようにするかが重要となってきます。
ノネナールだけでなく、活性酸素の対策もしておかないと加齢臭を完全に治す事はできませんからね。
活性酸素に対する対策は
「内側から加齢臭対策!加齢臭対策サプリでニオイを発しないカラダに!」
をご覧になってみてください。
まとめ
ここまで加齢臭のメカニズムや原因となる物質について学んできました。
少し分かりづらかったところもあったかもしれませんが、加齢臭についての基本的な知識はほとんど身に付けられたことと思います。
対策をするには、自分の敵をしっかり知る事が第一。
加齢臭についての知識を深めた上で、それぞれ適切なケアを始めていきましょう!